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なまけものデビュー戦の思ひ出③

歩みを止めぬなまけものランナー


脚が動かなくても進むしかない。
そう考えられたのは自分の才能です。

ヨタヨタ進むとそこにバイクのあんちゃんがやってきた。
「大丈夫ですか~」
「疲れました!脚が動きません!」
「コールドスプレー使う?」

1秒たりとも止まりたくなかったのですが、まあ使ってみましょうか。
シュー…
………

むむむ…
何がむむむじゃ!
何がって脚が動きそうですよ!

おお、歩ける!
あんちゃん、ありがとう!

しばらくすると短い距離でしたが走ることもできました。
これはいけるぜ~。

歩いたり走ったりしながら進む。
進んで進んで、さあどのくらい進んだのか?

ってやっと30キロが見えた。
1キロ1キロが遠いです。
まあ、1キロ毎に表示があるので全然進んでないことは本当は分かっていましたけど(涙)

30キロは3時間54分です。
素人の私でも速くないのは分かっていましたが…

なんか希望が出てきますよね!

完走しないよりする方がいい


30キロを3時間54分。
4時間6分で残り20キロを進めば良いのです。
時速5キロでいける。

この時点で完走は確信します。
何故なら、私は性格的にリタイアをしないタイプだから。
脚が動く限り進み続けるでしょう。
もうひとつ、脚の疲労以外に身体の異常は無い。
暑いけれど、熱中症の症状も無いし、頭も腹も痛くないのです。

ある程度安定して進める自信がある。
大丈夫。

そう思ったら身体は辛いですが、少し楽しくなりました。
「フルマラソンを完走するのはとても難しい。」
世の中の常識はそうです。
しかし、現実はどうか?

今、適当にウルトラマラソンにエントリーして出てきた人間が、20キロを残して完走を確信している。
3キロ前には絶望的だった人間が、です。

マラソン、面白いです!
何が起こるか分からない!

遅いですし、歩きが大半ですが脚を止めずに進みます。
エイドステーションでは
「少し休憩して行ったら?」
といわれましたが、1秒でも早くゴールしたい。
99%完走できるけれど、ここで休憩したことによって完走できなかったら取り返しがつきません。
100%になったら、ゆっくり行きましょう。

35キロ、40キロと進んでいきます。
沿道の皆さんの応援が嬉しい。
マラソンってこんなに応援者とコミュニケーションがとれるものなんだと驚きです(ウルトラマラソン特有のものだとは思いますが)。

隠岐空港へ向かう緩やかな坂道を歩き続け、
そしてついに…
42.195キロを越えました!

やりました!
あと8キロ弱、何とかなります。


なまけものウルトラランナー、誕生!


とうとう私もウルトラランナーになりました。
ランニングを始めて5時間半後にウルトラランナーになるというのは、世のウルトラランナーの中でもかなり早い方です。

一歩一歩、確実に進みます。
もはやちょっとでも上り基調だと全く走れなくなっていましたが、残りの距離はどんどん減っていきます。

ラスト4キロからは私設エイドが増えてきました。
止まりませんが、全部寄ります。

残り2キロ、大きな赤い橋を渡り、本郷の街へ向かっていきます。
おお…
おおお~!
沿道の応援、めっちゃ多い!
島のじっちゃん、ばっちゃん達とハイタッチしながら走っていきます。

応援は途切れません。
残り1キロを切り、トンネルを抜けて、昨日受付をしたレインボーアリーナへ。

最後は上り坂でしたがここはしっかり走ります。
我がランニング人生のラストくらいは、疲れていてもきちんと走りましょう!

「さあ岡山県のずっきーさんが帰ってきました!おかえりなさーい!」
とアナウンスが聞こえます。
よかったよかった!

さてさて、張り切ってゴール!

タイムは…
6時間45分48秒でした~
男子282人中151位。
まあまあでしょう!
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とても楽しい50キロでした。

その後ホテルに帰ると…
フロントの女性に
「あら、意外に速かったねえ。あんまり速そうに見えんかったけど」
なんて失礼な話であろうか!
どこからどう見ても速そうでしょうが…

最初に出た大会が隠岐の島ウルトラマラソンだったため色々勘違いしました
①マラソンのスタートは誰も先頭に行こうとしない
②マラソンのエイドではいきなり立ち止まったり座り込んで物を食べる
③マラソンのエイドではスタッフとコミュニケーションを楽しむものである
④マラソンとは疲れたらすぐ歩くものである
⑤マラソン中は応援の人ともコミュニケーションをとるものである
⑥マラソンのゴールでは一人一人名前を呼ばれる
⑦ウルトラマラソンでランニングデビューする人は結構多い

などなど…

マラソンを始めたのが隠岐の島ウルトラマラソンのスタート
ウルトラランナーになったのがマラソンを始めてから5時間半後
マラソンを引退したのがマラソン開始から6時間45分後

様々な伝説を残して
ずっきーはマラソン界からひっそりと姿を消したのでした…

いや、本当にこのときはやめるつもりだったんですよ!
そもそも辛いし!
その後ずっきーがランニングを続けることになった理由とは…?

(つづく)
かもしれない
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プロフィール

ずっきー

Author:ずっきー
岡山県在住
日本ランニング協会ランニングインストラクター

2012隠岐の島ウルトラマラソン50キロでランニングデビュー
100キロマラソン59回連続完走中
2016年島根ウルトラの神達成
韓国、ドイツ、マレーシア、台湾で100キロマラソン完走
過去参加のマラソン大会はこちら

5キロPB 19分46秒(2017そうじゃ吉備路マラソン)
10キロPB 39分09秒(2017そうじゃ吉備路マラソン)
100キロPB 8時間38分40秒(2017北オホーツク100kmマラソン)



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